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キャッシュ・フローで見るカード払いキャッシュ・フローというと、どこかこむずかしい感じがする。
つまりはお金(現金)の出入りの話であって、「キャッシュ・フローがよい」とはお金がいっぱいある(入ってくる)こと、「キャッシュ・フローが悪い」とはお金がない(出ていく)ことを指す。
いたって単純な話だ。
つまり、いつも現金を持っている状態にするにはどうすればいいのか、などといったことを考えたり、資金繰りをよくするために常に現金の出入りに気を配ったりするのが、会計におけるキャッシュ・フローの考え方である。
さて、ワリカンに話を戻すと、ここで重要になってくるのが、「支払いはクレジットカード″で行う」ということだ。
そもそも、いつも財布は1万円でギツシリ、5万や10万くらいならボンと現金払いができるといった恵まれた御仁でもない限り、多額の支払いはたいていカードで行うことになるはずだ。
カードで支払いをしたことがある方ならおわかりだろうが、当然、現金の引き落としは、カードを使用した翌月末だったり翌々月10日だったりする。
つまり、代金は約1カ月以上もあとに支払うことになる。
だから、現金の流れだけに注目するなら、カードでの支払い時には、1円も現金の出入りがないということになる。
もちろん、翌月末や翌々月10日になったら、銀行の口座から同じ額が引き落とされるわけだが、それは1カ月以上も先のことだ。
そして、ワリカンにおけるカード払いがただのカード払いと異なる点は、ワリカンの場合、その場で現金を回収することができるというところだ。
先ほどの例でいうなら、5000(円)×9(人)=4万5000円、飲み会の参加者から現金を回収することになる。
つまり、ワリカンの支払いをクレジットカードで行うことで、現金の出(キャッシュ・アウト)はないのに入(キャッシュ・イン)がある状況を作り出すことができるのだ。
このように、キャッシュ・フローの考え方というのは現金″の動きを見ることに尽きる。
同じように飲み食いしただけなのに、5万円もの差が生まれてしまうのだ。
ワリカンの支払い役になることで、キャッシュ・フローが抜群によくなったことがおわかりいただけたかと思う。
ワリカン金融このカード払いの利点を十分に生かして儲けを出す「ワリカン金融」と呼ばれるものがある。
これは定期的に飲み会がある場合などに有効なのだが、カードから現金が引き落とされる時期に、また同じようにワリカンを行って、同じ額の現金を増やすというやり方である。
そうすれば、引き落とされてマイナスになる額とワリカンで得た額が相殺され、プラスマイナス0円となる。
この作業を毎月くり返していけば、理論上は、最初のワリカンで得た現金(先ほどの例なら、4万5000円)をずっと「無利子」で借りつづけることができるという仕組みである。
どうして金利がかからないのかというと、カード会社にもよるが、1回払いや2回払いであれば、たいてい利子はかからないことになっているからだ。
金融会社などから1カ月間お金を借りた場合、その1カ月分の利子がつくのが普通だが、カード払い(リボ払いなど、金利がつくもの以外)なら、無利子でお金を借りられるというわけだ。
厳密にいうなら、1回払いであろうとちゃんと利子に相当するものはついているのだが、これは支払いを受けたお店側が払うというシステムになっているのだ。
金融会社から借りるときのように、個人が利子を支払う義務はない。
カード会社のよくできた儲けのカラクリどうしてお店側がわざわざ赤の他人の利子を払わないといけないのか、疑問に思う方もいると思う。
しかし、そこがクレジットカードという仕組みのよくできた点である。
お店がカード会社に「手数料」という名の利子を支払っているのだが、これはお店側に「手数料を払ってでもカードが利用できるようにしたい」という思惑があるからである。
どうしてかというと、高額な支払いが発生するお店、たとえば夜の飲食店などでは、「カード利用不可」だとお客さんが安心して飲み食いできなくなるからである。
そういうお店は、代金の10%という高額な手数料を払ってでも、カード会社と契約せざるをえないわけである。
逆に、百貨店などでは、カード会社とのあいだに手数料が発生しない場合がある。
これは、百貨店でカードが使えないとなるとカード自体のブランドが失墜するので、カード会社はコスト割れでも百貨店と契約を結ぶのである。
なお、一般のお店では、3〜5%の手数料が発生している場合が多い。
ちなみに、家電量販店などでは、商品を購入するとポイントカードに購入額の何パ下がる場合がある。
むかし、私にはこの理由がよくわからなかったのだが、これはカード払いによって発生する「手数料」の分だけ、客へのポイント還元を減らしている、ということなのだろう。
このように、クレジットカードというのは、客・店・カード会社のすべてにとって利点がある、よくできた仕組みなのであるすいという難点もあるが、それは使う側の自己管理の問題である)。
利益とキャッシュ・フローの違いとは?さて、最近では、利益よりもキャッシュ・フローを重視する会社が増えてきた。
あなたの会社でも、「キャッシュ・フロー!キャッシュ・フローはどうなっている=‥」と叫んでいる上司がひとりやふたりはいるはずだ。
では、どうしてこれほどまでにキャッシュ・フローが重視されるようになってきたのだろうか?その理由を説明する前に、ここでは、利益とキャッシュ・フローについて、その違いを明確にしておきたい。
まず利益とは、さおだけ屋のエピソードでも説明したが、「売り上げ-費用」で算出される金額である。
それに対してキャッシュ・フローとは、現金の出入りを計算したものである。
後々に支払わないといけないお金なので、「預り金」という負債になる。
実は、借金と同じ扱いなのだ。
つまり、キャッシュ・フローは現金しか考慮に入れてないが、利益は目に見えない負債なども考慮に入れた数字なのである。
お金があることと儲かっていることとは別次元のお話というわけだ。
決算書が3種類もある理由昨今、決算書の世界では、従来の貸借対照表と損益計算書に加えて、第3の指標としてキャッシュ・フロー計算書が導入され、会社の経営状況がより正確に把握されるようになってきた。
なぜ、会社の状況を見るのに3種類もの決算書が必要なのだろうか?たとえば、例に挙げたワリカンのカード払いは、キャッシュ・フローで見るととてもお得だが、利益で見るとまったく得しておらず、むしろ負債も発生している。
このように、同じ行動でも、見方によっていろいろなとらえ方ができるわけであり、だからこそ、「キャッシュ・フローの視点」や「利益の視点」といった複数の視点が不可欠になってくるのである。
これは会社に限らず個人でもまったく同じことだ。
一方的な視点だけでは、どうしても正確なことはわからない。
私の友人は、ワリカンの支払い役に徹することで「キャッシュ・フロー」をよくすることに成功したが、はたして彼が「利益」という視点も持ち合わせていたかどうかは疑わしい。
いくら手持ちの現金が増えたとしても、それは負債なのだ。
そういった考えがなければ、遅かれ早かれ破綻するのは目に見えている。
だから、個人においても会社と同様、いろいろな視点・指標を持つことが必要になってくるのである。
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